ヤマセミ
とりこ、なぜか鳥に興味を持ち、鳥の写真を撮る先生のもとで鳥について勉強中。
現実は、アシスタントにもなれない、まだまだ素人なのだけれど。
先生は変わり者で、役に立てない私を怒りもしない。
いつだったか『私、褒められて伸びるタイプです』なんて言ったもんだから、
褒める要素を探すのに苦労しておられるだろう。
ダムにヤマセミの撮影に行った。
ダムの脇には湿地の林があって、そこに降り立つとヤマセミの撮影には絶好のポイントだ。ただ、ここに降りてくるまでには1メートルほどの小川を飛び越える。
とり子は何度えいっとジャンプしても、足が川にはまる。1メートルも飛べないのだ。
本当か?見た感じ、飛び越えられそうなのに、と、情けない。
先生も最初は『大丈夫かい?』と私の濡れた靴を気の毒そうに見たけれど、今は後ろで私がバシャッと水の音を出しても、振り向かなくなった。
ヤマセミは水の中にダイビングしては、枝にとまった。