青野ダム ヤマセミとコーヒー
私の名前はとりのとり子。何をしてもどんくさい。
この私がアシスタントするんだから、拾う神あり、だ。
拾ってくれた神様は有名な野鳥写真家の先生。
5月。暑い。先生から『とり子くん、青野ダムへ行くよ』と連絡が入る。
青野ダムでヤマセミの撮影だ。
約束の3時、先生はもちろんまだ来ていない。あっ、そばの畦でキジが鳴いたわ!
とり子は双眼鏡を持って、キジの鳴き声のほうへ走った。
土手を上り、田んぼの畦を覗き込むと、キジは美しい光沢で草から体を半分だけ見せて歩いていた。
『キジも鳴かずば撃たれまい』ほんとに。とり子、キジ探すの得意なのよね~♪
この時季のキジを見つけるのは誰にでもできるということを、とり子はまだわかっていない。キジの雄は5月から6月の繁殖期には「ほろうち」と呼ばれる甲高い鳴き方を頻繁に繰り返す。縄張りを主張し、また雌への求愛でもある。
先生到着。『コーヒー、あるかい』先生に、はい、どうぞと渡したら、先生コップを助手席のいすの上に置いて、『あっ』。安定悪く、助手席にコーヒーをこぼす。
なんでそこに置いたん。。。。
あわててタオルでふいた。
『とり子くん、ぼくが運転するよ』『あ、ありがとうございます』
『おしり、濡れてないかい?』『あ、大丈夫です』
って、濡れとるわい!!!
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